Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~


 シャンパンゴールドのリボンを解き、赤い包みを開いくと、ベルベットの細長いケースが出てきた。

 ゆっくりと、それを開く。

 「きれい……」

 雫の形の青い宝石が、細い銀色のチェーンの先に下がっている。その深い青は、吸い込まれそうなほど澄んでいた。

 「ロンドンブルートパーズっていうらしい。」
 
 ネックレスに魅入っていた千紗子に、低く柔らかな声が囁く。

 「千紗子の誕生石だろ?」

 千紗子は言葉を発することも出来ず、ただ息を飲んでその青い雫を見つめている。

 「着けてもいいか?」

 耳元で囁く低音の声に、千紗子はただコクンと頭を動かした。

 髪をよける指先が、千紗子の首筋を優しくくすぐる。

 一彰は、千紗子の手の中の箱からをネックレスを持ち上げると、それをそっと千紗子の首に回して掛けた。
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