Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
千紗子の涙が落ち着いたのを見計らい、千紗子の唇にそっと自分の唇を重ねる。
小さいのにふっくらとしているそれは、良く熟れた果実のように甘く柔らかだ。
ぴったりと重ね合わせると、千紗子のそれは一彰の唇にすっぽりと収まる。もう幾度も重ね合わせてきたはずのその唇の形を、飽きもせずに確かめたくて、一彰は自らの唇で彼女のものをなぞっていく。
彼女の下唇を自分の唇で挟み込み、食むようになぞると、吐息と共に開く。一彰はそこから自分の舌を素早く差し込んだ。
「んんっ、」
口内をそっと撫で上げると、甘い声が上がる。
その声が一彰をどんなに煽っているのか、彼女はきっとその十分の一も分かっていないだろう。
助走は終わり、とばかりに、一気に彼女の口内を掻き回す。歯列をなぞり、舌を絡め、吸っては舌の裏をなぞる。その度に千紗子は甘い吐息を漏らす。
千紗子の息がすっかり上がったのを感じて、一彰は彼女の口を塞いでいた唇を、首筋へと移動させた。
ピクリ、と千紗子の体が跳ねあがるのが分かる。
それに気付かない振りをして、一彰は彼女の耳のすぐ下のうなじに軽く吸い付いた。
「やっ」
この三か月間、幾度となく抱いてきた彼女の、弱いところを一彰はすっかり熟知している。
白いうなじに吸い付きながら、なぞるように首筋をたどると、腕の中の千紗子が、身を捩ってかすかな抵抗を見せた。