Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「でも、俺がわがままになるのは千紗子の前だけだ。いつだって、千紗子のことになると、俺は自制が効かなくなる……こんな俺のことは、嫌か?」
思っても見ないことを言われた千紗子は、一瞬目を丸く見開らいたが、すぐに大きくかぶりを振った。
「千紗子…好きだよ。」
一彰は千紗子の耳元で愛の言葉を囁くと、再びその唇に自分のものを重ねた。
何度抱いても満ち足りることがないほど彼女を求めてしまう自分に、我ながら呆れている。
啄んだ唇から彼女の温もりと甘い香りが伝わってきて、理性とは別の、自分でも抑えることの出来ない劣情に駆られ、自分の上にいる小さな体をくるりと回転させると、今度は自分の体の下に組み敷いた。
「きゃっ」
短い悲鳴が上がるが、抵抗する気配はない。
潤んだ瞳で見上げてくる千紗子に、一彰の中から愛おしさと、それと同じだけの欲望が込み上げ、その気持ちをぶつけるように彼女の唇を荒っぽく塞いだ。
彼女の着ているカットソーの下から手を差し込むと、小さな体がピクリと跳ねる。
反応を窺いながらゆるゆると白い肌を撫でれば、淡い吐息をついた千紗子が、一彰の首に腕を巻き付けてきた。
(えっ!?)
口には出さないが、一彰は内心驚いた。
いつもなら、こんな昼日中の明るいリビングで、こんなふうに過剰なスキンシップを仕掛けると、ほとんど彼女によって止められてしまう。
その為、これまでこのソファーの上で彼女を抱いたことはなかった。