Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「これか?」
すぐに戻ってきた雨宮が、手に持ったUSBを千紗子に見せる。
「はい、これです。」
「じゃあもういいな。」
「はい、…え?、あっ、きゃっ!」
『何が?』と千紗子が問いかける前に、雨宮は千紗子を横抱きに抱きかかえた。
「とりあえずここを出るぞ。」
「え、あ、雨宮さん!?でもっ、」
「千紗子の言い分は後で聞く。それを実行できるかは、千紗子がもう少し回復してからだ。」
抱きかかえられたまま、雨宮にキッパリとそう言われた千紗子は、返す言葉も無くて口を噤むしか無かった。