命の記憶
 私の独り言に対して背後から返事が来た。

 慌てて後ろを振り返る。

 そこには私とほぼ身長の変わらない男の人。

 青い見たことの無いユニフォームのような服を着ているが、この顔と声は間違いなく──

「こ、こうちゃん!?」

 ビックリしすぎて声が裏返った。

 独り言を聞かれた上に恥ずかしい声まで出してしまった。

「久しぶり」

 相変わらずの調子で言われる。

「久しぶり……」

 なんでここにいるのか、その服装はなんなのか、私に話しかけた理由はなんなのか、色々な疑問が思い浮かぶ。

「ど、どうしたの?」

「え?」

 全ての言葉を省略してそれだけ言ってしまった。

 さすがにこれでは意味がわかるまい。

 私がきちんと説明しようと考えていると、こうちゃんの方が先に口を開いた。
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