命の記憶
「そうなの?」

「そうだよ」

 そんなこと言われたらこれから授業を受ける度、この単元こうちゃんもやってるのかなとか考えてしまいそうだ。

「でも俺の方がちょっとだけ進んでるかも。
よかったら一緒にこの宿題やらない?
他にやることもないしさ」

 私の宿題を、一緒に?

「いいの?」

「もちろん。ちゃっちゃと終わらせようぜ」

 こうちゃんが張り切って宿題の前に座る。

 なんか昔も今もこうちゃんに助けられてるなぁ……

 私もこうちゃんの隣に座り、2人で宿題を始めた。

 思っていたよりもこうちゃんの教え方が上手く、一人でやった時とは比べ物にならないスピードで宿題が進んだ。

 もちろんこうちゃんが頭悪いとは思っていなかったけど、まさかそんなに頭良かったとは。

 運動もできて勉強もできるなんて……いいなぁ。

 運動が人並み以下で勉強はそこそこな私には少し羨ましかった。
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