それでもずっと、君を愛す。


• • •



「汐音!おっはよーー!!」



ニコニコとした笑顔でブンブンと手を振っているのは、紅葉(クレハ)だ。



「朝から相変わらず元気で良いこと…」



どこからそんな元気が出てくるんだろうか。私の親友って奴は。



「まーた男子にぐちゃぐちゃにされたの? 汐音が好きならこんなことするなってんだ!」


「まあ、何時ものことだしさ…慣れたよ、いい加減」


「でもでもでも!うちの可愛い汐音に何かするなんて…もう、ぶっ飛ばしたる!!」



威厳を見せつけようとしたのか、関西弁が少し混ざっている。


ぶっ飛ばしたる、とか言う癖にいざとなると何も出来ないわよね。紅葉は。



「ほら、今可愛くお直ししてあげるからね?」


「じゃ、お願いね」



そう言うと汐音はコームとエチケットブラシ、充電式のヘアアイロンを取り出し、そそくさと、まるでメイドの様に身嗜みを整え始めた。



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