俺たちは夜に舞う蝶らしい




せわしなく出いく夕を見て蘭音は微笑ましげな顔をしている。





『どっちが年上か分かんねぇな。』


「ふふっ。
澪のことでアタフタする夕さんは微笑ましいですよ。」




凜音が尖ってる分、大人っぽく成長した蘭音。

兄がダメなら弟はしっかりしてるってのはあながち間違いではないだろう。

凜音がダメなわけじゃねぇけどな。




「それにしても。
澪と翼を引き込むなんて思い切ったことをしますね。」


『KINGが動いてる。
早く手を打たねぇとあぶねぇのはあいつらだ。』


「それで、自分が危険に晒されたとしても‥‥ですか。」


『やっぱり、お前にはバレるかー』




KINGに太刀打ちする。
それは絶対的な王者に逆らうってことだ、

そのつけがまわってくるのは、間違いなくトップである俺。

下手したらガキや凜音たちにも危険が及ぶ。

それを伝えないのは余計な心配をかけさせたくないからだ。
夕はしばらくしたら気がついて止めてくるだろうけど、もう計画は動き出している。

最終的には夕は俺に協力して、誰も失わなくていい道を探すんだろう。




「夕さんもすぐ気がつきますよ。」


『あー、どやされるんだろうな。』


「それでも、やめるつもりはないのでしょう?」




その言葉に苦笑いをして軽く頷く。
すると蘭音は軽く笑って口を閉ざした。




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