俺たちは夜に舞う蝶らしい
『たまには気まぐれくらい起こすよ。』
「珍しいこともあるもんだな。
お前にも温情があるってことか。」
『俺をなんだと思ってるの‥‥?
潰すよ?』
「悪い、悪い。」
全く。
本当に悪いなんて思ってないくせに。
けど、許してしまう俺も俺なんだけどね。
「父親は通り魔にやられたことにしてあるから、可哀想な親子って程度だろ。
その辺については詳しく親父がやってくれる。
俺がするのは現場の清掃だけだ。」
秋雨の父親‥‥。
裏得のことか。
裏得‥‥正確には
警視庁 捜査部 裏得策部隊
まあ正式名称だけど、捜査部ってのを抜いて話すこともあるし、そもそも確立した呼び名がないのが事実だ。
秋雨の父親は裏得のトップ。
まあ、警察の裏の顔の総指揮官ってことだよ。
「裏得に任せれば大丈夫だろ。
そう言えば、なんで仕事後に集められたんだ?」
『確かに。
普段はそのまま流れ解散だよね?』
「なんかボスから話があるんだとー」