俺たちは夜に舞う蝶らしい
蘭音のその言葉に時計を見ると14時26分と表示された時計。
え、どれだけ時間の無駄遣いしてたの俺。
「もしかして、ずっと寝てた?」
『みたいだね。』
「他人事だねぇ。」
あ、ご飯は食べたんだ。と呟きながらふわりと笑う蘭音。
蘭音が動くたびにカバンの中から僅かに鈴の音が鳴る。
『ねぇ、蘭音。』
「んー?」
『その鈴の音。なに?』
俺のその言葉にぴたっと動きを止める蘭音。
すると、当たり前なんだけど鈴の音も止まる。
「相変わらず耳いいね。」
けど、俺の問いかけに答えを返すわけでもなく、すっと目を細めて止めていた動きを再開する。
『答えられないの?』
「答えたくないの。」
『そっか。』
「…ごめんね。」
『俺も隠し事あるからいいよ。』