俺たちは夜に舞う蝶らしい
『げ…っ。』
俺も情報力には長けてるはずなんだけど、蒼炎である蘭音には叶わないってことかな?
「ねぇ、凛音。」
『ん?』
手は止めることなく、こちらを見ることもなく俺を呼んだ蘭音に答える。
「…KINGってそんなやばいとこなの?」
『んー。簡単にやばいといえばやばい。
卑怯だけど実力は確かだよ。』
「凛音たちとどっちが強い?」
『‥‥悔しいけどKINGだよ。
あの強さは化け物だ。』
「化け物‥‥ね。」
『特に、俺たちは才が秀でている訳じゃない。
努力して人より上にかろうじて立てている。
才が秀でている集団には逆立ちしたって勝てやしないよ。』
「凛音がそこまで言うなんて珍しいね。」
そう言っていつも通りに笑う蘭音。
そして、その笑顔のまま休まず動かしていた手を止めて、こちらを向く。
「才が秀でていない人が10人いても才が秀でている1人には勝てないって言いたいの?」
『まあ、そうだね。』
「じゃあさ。」
『‥‥‥‥‥‥?』