俺たちは夜に舞う蝶らしい
蘭音side
『才が秀でていない人が10人いても才が秀でている1人には勝てないって言いたいの?』
「まあ、そうだね。」
『じゃあさ。』
「‥‥‥‥‥‥?」
その言葉と共に見せられたパソコンを見せると言葉を失い目を見開く凛音。
そりゃそうだ。
ここには俺を含め、凛音のターゲットである澪と昭美さんの息子の名前が入っているんだから。
卑怯なところに認められたって嬉しくはないけど、凛音の話曰く、俺たちは才が秀でている人物らしい。
『才が秀でている一人は10人に勝てる?
二人になれば壊滅させられるのかな?
三人なら何ができる?』
俺は自分でも僅かに感じた戸惑いを隠し、いつも通りに笑う。
「なんなの‥‥これ‥‥っ」
『見ての通り、王者への勧誘リストだよ?』
「そうじゃない!
なんで蘭音の名前があるの!!」
『俺のことは興味無いから分からないけど、澪と翼はダイヤの原石だよ。
磨けば磨くほど輝く。
王者の手が伸びないうちにこっちに引き込んで守りたいってのが昭美さんの意図なんだろうね。』