俺たちは夜に舞う蝶らしい
Butterfly.3
汐side
「‥‥ってことがあったわけ。」
「いつ聞いても逃げ出したくなるような話ですね。」
今俺がいるのは蒼炎。
そして目の前には凛音さんがいて、隣には翼さんがいる。
組入りする準備として、裏のことを色々と聞いとくべきだということになり、凛音さんのところに行くように父さんに指示された。
凛音さんがしてくれた過去の話は、翼さんの言うように聞いてて逃げ出したくなるような内容ばかりだ。
「まだまだ内容の半分だよ。」
「しかし、当時に比べたら凛音さん。
随分とおおらかになったんじゃないですか?」
「そうだね。
まあ、あの頃は若かったから。」
「今や三十前ですもんねー」
「あはは。
翼、しばくよ?」
笑いながら包丁片手にしてる凛音さん。
もはやそれはしばくとか、殴るとかの部類じゃない。
「殺されるのはゴメンですって。」
それに慣れているのか、翼さんは両手を上げてケラケラと笑っている。
『あの‥‥。』
「「ん?」」
ここまでの話で疑問に思ったことがある。