俺たちは夜に舞う蝶らしい
そう凛音さんが言った瞬間、バンッ!!と音を立ててbarに人が入ってきた。
「もう少し静かに入ってき‥‥どうしたの?」
「そんな慌ててどうし‥‥何があった」
『‥‥!?』
文句を言おうと口を開いた凛音さんも、慌てている理由を問いかけようとした翼さんも、入ってきた人物の様子に真剣な声色になる。
一気に空気が裏に染まった。
俺は情けないけど驚いて声も出ない。
そこにいたのは怪我だらけの兄貴。