俺たちは夜に舞う蝶らしい
その前にも通り名がなかったわけじゃない。
僕は血桜、翼は紅の通り名だった。
当時は翼は始末屋と同時に殺し屋もしていた。
僕らについた2人の通り名は血蝶。
僕らは凛音さんたちから名前を継いだ時に、殺し屋と始末屋の職を1本化して、情報技術を身につけた。
まあ、僕は裏入りした時に蘭ちゃんから教わってたんだけどね。
もちろん、蘭ちゃん以外には内緒で。
『蘭ちゃんどこにいるの‥‥。
全く見つかんない‥‥っ。』
汐がきちんと父さんに伝言してくれていればいいんだけど‥‥。
放心してたからなぁ。
まあ、信じるしかないか。
僕が頼んだ伝言のランクは、現状況の危険度。
ランクA。
予想外な事態が発生。
退却する。
その報告が来たら、僕は蘭ちゃんの補助にまわり母さんが翼の両親の保護。
ホワホワしてる母さんだけど、普通に強いから何とかなる。
なんで強いのかとかは未だに謎だけど。
父さんや洋さんや要さん、そして秋雨さんが〝準備〟をする。
何年もかけて練ってきた計画。
ここで失敗するわけにはいかない。
そのためにも蘭ちゃんを見つけないといけないんだ。
KINGを振り切る時にはぐれた蘭ちゃん。
はぐれたところから蒼炎が一番近かったから、そこに行ったと思ったんだけどハズれたし。
通信機も繋がらないし‥‥
そう思った瞬間‥‥