俺たちは夜に舞う蝶らしい
「“澪‥‥っ。聞こえる?”」
『聞こえる!』
「“よかった‥‥やっと繋がった”」
イヤホンから聞こえてくる蘭ちゃんの声。
無事だった‥‥。
「“澪、今どこにいる?”」
『蒼炎と雫石の間くらいかな。』
「“夕さんにランクは伝えた?”」
『一応、蒼炎によった時に汐がいたから伝言頼んだけど‥‥』
伝えてくれてるかは分からない。
そう言うと、間髪入れずに蘭ちゃんから、なら大丈夫と一言帰ってくる。
「“さっき、汐くんが家に入ったのは見えたから。”」
『蘭ちゃん‥‥どこにいるの?』
僕の家と今僕のいるところはそこそこ距離がある。
今まで蘭ちゃんや僕がいた場所なんてさらに遠い。
「“澪の家の近くにさっきまでいたけど、今はとりあえず、蒼炎に向かってる。”」
『わかった。
僕も蒼炎に向か‥‥ごめん、遅れるかも。』
「“‥‥ッ!?澪!?”」
『大丈夫、ちゃんと行くから。
蒼炎で待ってて。』
「“澪‥‥っ!‥‥み‥‥‥‥ぉ”」