俺たちは夜に舞う蝶らしい
覇気のない凛音の声。
本気で隠れたら俺達では見つけられないだろう蘭音。
冷静に判断してるように見えるが内心の動揺が見える秋雨と俺。
「つか。
澪、大丈夫なのか?」
蘭音に懐いてたよな?と俺が言うとハッとする凛音と秋雨。
凛音はさっきまでの落ち込みは何だったのかって思うくらいに素早く携帯を取り出して、父さんの携帯にコールする。
蘭音が気に入ってるガキだって聞いてて、はじめて澪たちに会ったとき、どこが気に入るんだって思った。
けど、関わるうちに俺も秋雨も凛音も気に入ってなんだかんだであいつらには甘い。
「もしもし、洋さん?」
「[おー、凛音か?]」
スピーカーにしてくれた凛音。
いつも通りの父さんの声に少し安心する。
「[どうした……って澪のことだよな?]」
「よく分かりましたね。」
「[このタイミングならそれしかねぇからなぁ。]」
「それで……澪は?」
「[部屋から出てこなくてな。
今、下の奴が見に行ってる。]」
「そうですか……」