俺たちは夜に舞う蝶らしい
「あとは蘭ちゃんのお仕事ですよ。」
『わかってる。』
「…………蘭音、澪?」
聞こえたのは要の声。
振り向くと目を見開いて立っている要。
「お前ら……何してんだよっ!」
要からすればKINGに喧嘩を売るなんて。と思ってるんだろう。
俺が要の立場なら間違いなく思う。
「蘭ちゃん……。」
『話さないとダメみたいだね。』
「僕が連れていく。
蘭ちゃんは行ってきていいよ。
気をつけてくださいね。」
『……澪もね。』
ここの片付けとか、後のことを全てを澪に任せるのはもともとの計画だけど、要のことも任せるのは予想外。
仕方ないといえば仕方ないけど……。
それでも、ここで計画通りに俺が動かなければ澪の頑張りが無駄になる。
『あとはお願い。』
俺はそう言うと、澪たちに背を向けてビルを出た。
要の戸惑いの声を聞きながら。