俺たちは夜に舞う蝶らしい
Butterfly.5
蘭音side
『おかしい。』
「ん?」
『澪の発砲で突入が計画だった。
だけど……』
「発砲が……ない。」
計画開始予定時刻からすでに30分経過している。
インカムで呼びかけてみるが澪たちは反応しない。
何かあった?
その時……
「[……ん、蘭ちゃん………聞こえる?]」
『「澪!?」』
「[よかった。
やっと通じた。]」
無線を通じて聞こえる澪の声。
そして銃声と刀がぶつかる音。
「[ごめん。
弾なくなりそう。
やっぱり、計画が漏れてる。]」
『…………わかった。
あいつか?』
「[多分ね。]」
「何の話?」
蚊帳の外になっている凛音。
恐らく翼も同じだろう。
これは俺と澪しか知らなかったこと。
夕さんにも昭美さんにも言わず、俺たち2人だけで調べてきた。
俺も澪も。
その事実を信じたくなくて……
俺たちでさえ全く証拠がつかめなくて、不安を煽る材料にしかならないと思って……
誰にも言わなかった……いや、言いたくなかった
〝真実〟