俺たちは夜に舞う蝶らしい
昭美side
『はぁ‥‥。』
「ちょ。酒の席でため息つくの止めてくれねぇ?」
一緒に飲んでた夕が言う。
『お前は怒んねぇのかよ。』
「なにが?」
『お前の子どもを引き込もうとしてるんだぞ?』
「あー、そのことな。」
なんてことないように酒を煽る夕。
なんでそんな平然としてられる?
普通は怒るだろ。
「俺らが何しようと、入らねぇ時は入らねぇし。
何もしなくても入るかもしれねぇ。
どうなるかなんて、それこそ神様ってやつしか知らねぇんだ。」
気にするだけ無駄だっつーのと笑う夕は、心の底からそう思ってるらしくて、いつもと変わらない。
「そりゃ、ガキどもには表で生きてて欲しいけどさ。
選ぶのはあいつらだ。
俺らがそうだったようにな。」
『‥‥‥‥あいつら壊れねぇかな。』
「天下の殺し屋のボスも我が子には弱いか?」
ケラケラと笑う夕に少しいらっとして、自分の酒を煽る。