俺たちは夜に舞う蝶らしい
澪と翼の言葉に動き出す俺達。
要は文句をいいたそうだったけど。
「後片付けは僕達に任せてください。」
「早く行ってください。」
「後で僕達も病院に行くので。」
「入れるようにちゃんと言っといて下さいよー」
澪と翼は俺達を追い払うような仕草を見せ、いつもの笑顔を見せる。
そして、俺達はKINGの本部から出る。
俺達がよく利用する病院……いわゆる闇医者と呼ばれる奴がいる所への救急車がつき、秋雨を乗せる。
俺達は人数的に一緒に乗り込む訳にはいかないため、救急車を追うように到着した組の車に乗り込んだ。
ここから病院まで少し距離がある。
それにも関わらずすぐに救急車が来たということは澪が手配してくれていたのだろう。
俺達が乗る車に関しても澪が手配していたと考えるのが妥当だ。
俺達が冷静ではないことを踏まえて運転手まで用意している周到さ。
これはアレだな。
要がヘタクソで急所を外すと見越してのことだ。
ギリギリ要が撃って急所に当てることが出来ない位置を予測して撃たせていた……。
そう言えばあの場所を指示したのは澪だった。
そこまで計算されていたとか……本当に予知能力があるとしか思えないよね。
そんな事を思わず考えた。
救急車と俺たちの乗る車が発車して数分後。
大きな爆発音が聞こえた。
慌てて窓から後ろを見ると火の手が上がるKINGの本部。
「爆発なんて予定にあったの?」
『そんなわけないでしょッ!』
「じゃあ、あれって……」
凛音の問いかけに答えると、要の顔が青ざめる。
KINGの仕掛けたもの……?
最後の足掻きってわけ……?
澪……翼…………っ