俺たちは夜に舞う蝶らしい
降りてる途中に爆発するだろうし。とやはり危機感のない澪。
それでも、助かりたいならやるしかないと覚悟を決めた目をしている。
「このまま死ぬか、足掻いて死ぬか。
どっちがいい?
足掻いたらもしかしたら助かるかもよ?」
クスクスと笑う澪は、どちらでもいいといった感じ。
澪にとって、今回の任務はみんなを無事に帰すこと。
それが達成された時点で、基本的にはどうでもいいんだろう。
俺たちはお互いにお互いの命を背負い何があっても信じると決めている。
だからこそ、澪は俺の心配はしないし俺も澪の心配はしない。
『足掻いてみるかー』
「了解。残り31秒。
さっさと行くよっ!」
澪がタイマーを確認し、どちらからともなく飛び降りる。
こういう時、身体能力がよくてよかったと思う。
……いや、むしろこれは身体能力云々の問題ではないのではないかと思うんだが。
これ、普通なら無理だよな。
俺達って人間やめてるんじゃね?
……と馬鹿なことを考えながら僅かな足場に飛び移りながら降りていく。
それでも僅かしかないからするすると降りれるわけじゃない。
バァァァァァァアンッ!!!!!!
大きな爆発音。
一気にあたりは炎と煙につつまれる。
上から瓦礫が降ってくるわ、灰が目に入るわ、僅かしかない足場がどんどん崩れていくわ。
とにかく最悪。
澪の姿は見えない。
けど、あの超人なら大丈夫だろうと思い、とにかく降りる。