俺たちは夜に舞う蝶らしい
『……足場ねぇじゃん。』
10階の高さ。
視界が悪くこの爆風の中では何ともならない高さ。
普段でさえこの高さだと諦めモードに入るくらいだ。
『考えてる時間はねぇ……か。』
何個仕掛けられてるかはしらないが、爆発が立て続けに起こっている。
深呼吸をして飛び降りる。
着地した時に受身がうまく取れず、鈍い痛みが足にはしったが気にしてられない。
「翼。」
『無事だったか。』
「まぁね。」
ぱっと見は無傷な澪。
擦り傷一つないってどうなの。
けど、それはあくまでもぱっと見。
『……目、やられたのか?』
「やばそうな所の爆弾をいくつか解除してたときに、しくじった。」
『………………自業自得か。』
「そうとも言うね。」
目をやられた後にも爆弾解除してたらしい。
片目しか見えない中で爆弾解除して回って、あの高さから飛び降りるってまじで超人。
何がやばいってお前がやばいわ。
俺もそれなりに人間辞めてるかもって疑惑があるが、お前は完全に辞めてる。
「とにかく、蘭ちゃんたちのとこ行こうかー」
『…………ん。』
~回想終了~