俺たちは夜に舞う蝶らしい




『……足場ねぇじゃん。』



10階の高さ。
視界が悪くこの爆風の中では何ともならない高さ。

普段でさえこの高さだと諦めモードに入るくらいだ。




『考えてる時間はねぇ……か。』




何個仕掛けられてるかはしらないが、爆発が立て続けに起こっている。

深呼吸をして飛び降りる。
着地した時に受身がうまく取れず、鈍い痛みが足にはしったが気にしてられない。




「翼。」


『無事だったか。』


「まぁね。」





ぱっと見は無傷な澪。
擦り傷一つないってどうなの。

けど、それはあくまでもぱっと見。




『……目、やられたのか?』


「やばそうな所の爆弾をいくつか解除してたときに、しくじった。」


『………………自業自得か。』


「そうとも言うね。」




目をやられた後にも爆弾解除してたらしい。

片目しか見えない中で爆弾解除して回って、あの高さから飛び降りるってまじで超人。

何がやばいってお前がやばいわ。
俺もそれなりに人間辞めてるかもって疑惑があるが、お前は完全に辞めてる。




「とにかく、蘭ちゃんたちのとこ行こうかー」


『…………ん。』





~回想終了~




< 99 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop