*If*…もし貴方と出逢わなければ…
私もそれに応えるように力を強めた



暫くしてどちらともなく力を抜いて離した



「お前には、アイツがいるだろ?アイツの気持ちに応えてやれよ?もうなんにも華蓮が気にする事はないからさ。な?」



『…うん』



「幸せになれ」



『…っ、うん…!』



その時誰かが私の名前を呼ぶのが聞こえた



「華蓮…。起きてくれよ…。」



悲しそうな声音を出す彼を私は知ってる



「華蓮には待ってくれている人がいるのね」



穏やかに笑うお母さん



瑠稀やお父さんも穏やかに笑っていた



『…うん』


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