*If*…もし貴方と出逢わなければ…
雅さんは私と目線を合わせて聞いたんだ



“お前の家は?”



“そんなの無い”



“なら、俺のとこ来い”



そして今の家族、雅さんの家にお世話になる事になった



そしてもう一つ聞かれたんだ



“力がほしいか?”

その時の私は力が欲しかった…出来れば復讐したいとさえ思っていた。だから殆ど無意識に即答していた



“欲しい”



“わかった。なら、蝶華に入るといい。あそこにいる奴らは皆良い奴だ。きっと、信じられる日が来る”



“……分かった”



この時の私は人間なんて信じられなかった。…信じ方さえも知らなかった…。



多分雅さんはその事も見抜いてたんだと思う。だから蝶華に入るよう勧めたんだって今は思う。これが、私が蝶華に入ったきっかけ」


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