*If*…もし貴方と出逢わなければ…
音がした



凄く嫌な音が……。



いつもなら避けられる銃弾だが怖くて動くことが出来なかった…。



だから私はこれからやって来るであろう痛みに備え目を瞑った



だけど一向に痛みが来ない…。



代わり温かい温もりが私を包んだ



目を開けると信じ難い状況だった



痛みに顔を歪める瑠綺…そして、こう言ったんだ



“か、れんは…お、れじゃな、いだ、れかに、しあ、わせに…して、もらえ…ほ、んとは、お…れがし…てやり、たか…ったけ、どむ、りそ…だか…ら…”



そして、瑠綺は目を閉じた



必死に瑠綺の名前を呼んだ



だけど、瑠綺がまた目を開けることは、二度と無かった…



瑠綺は、父さんと一緒で、私のせいで死んだ



それから私は、逃げた。仲間からも、家族からも…



そして、出会ったのが蓮だった



これが私の過去ごめんね?引いたでしょ」


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