24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「立花さんの家がいいです。誰にも邪魔をされずに過ごしたいので……」
どれほど大胆なことを言っているのかは分かっているつもりだ。
だけど、また高級鮨店に連れて行ってほしいわけでもなく、ホテルの豪華な部屋で過ごしたいとも思わない。
ただ、彼と一緒にいたい。
拗れそうなほどに熱い伊鈴の想いは、彼女を大胆に、素直に変えてしまったのだった。
「……ダメ、ですよね」
「いいよ。俺の家に行こう」
会社の近くに差しかかった車が、左折レーンに入った。
「あれから、ずっと立花さんのことを考えてたんです」
「……そう」
素っ気ない返事をして、平常心を保つ。
(俺の気持ちを知ってて、そんなことを言うのか? しかも、このタイミングで?)
帰宅ラッシュと重なる中、運転に集中したくても、伊鈴が気になって仕方ない。
立花は、そんなことを言う彼女の唇を奪って、黙らせてやろうかとも思った。