24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
ほどなくして、瀟洒な街並みに似合うお洒落な邸宅が見えてきた。
夜に見る彼の自宅はライトアップされていて、色気すら感じる。
ガレージに車を入れた立花は、助手席に回り込んで伊鈴の手を取り、そのまま玄関までの階段を上がった。
「お邪魔します」
「どうぞ」
1度来たくらいでは馴染めない立派な家に、ふたりの声が響く。
立花の後ろについてリビングに入ると、ソファに座っているようにと言われた。
「ビールにする? あとは梅酒とブランデーくらいしかないんだけど」
「梅酒をもらっていいですか?」
(今日は酔うわけにいかない。ちゃんと立花さんに気持ちを伝えなきゃ)
伊鈴は、緊張をほぐすために深呼吸をした。