24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「っ!!」
立花の腕が背に回り、力強く引き寄せられた。
呼吸するのもままならない距離に、彼の顔がある。
情熱的な瞳で見つめられ、漂う白檀の香りに鼓動まで染められていくようだ。
言葉もなく、ただ見つめ合うふたりは、交わす視線に想いを託す。
そして、伊鈴が2度瞬きをしたあと、立花はそっと唇を重ねた。
初めは確かめるように短く、しっとりとしたキスをしていたが、どちらからともなく離れることを拒み、次第に長くなっていく。
「どうして、会いに来た?」
不意にキスをやめた立花は、伊鈴をソファに押し倒しながら問いかけた。
失恋して次の恋を探す余裕もなかった彼女が、この1週間の間にどういう心変わりをしたのかと思ったのだ。
「……あの日から、ずっと立花さんのことが忘れられなくて」
額に、頬に、唇に、順にキスが落とされる。
凛々しい彼の表情に、ぞっとするほどのなまめかしさを感じて、伊鈴はこの恋に落ちてしまいたいと思った。