24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「じゃあ、手の甲にキスをしてくれたのは?」
「どんな手を使ってでも、伊鈴を落とすって決意してたから」
「っ!!」
再び覆い被さってきた彼が、伊鈴の首筋に唇を這わせる。
ブランデーの芳醇な吐息と、彼の高貴な白檀の香りに酔わされていくようだ。
突然、名前を呼び捨てられた伊鈴は、反射的に昂る胸の音に従順になった。
ブローチで留めていたロイヤルブルーのストールが丁寧に開かれ、ニットの裾から立花の大きな手が素肌に触れてくる。
「出会ったあの夜に、戻りたかった。もう会えなくなるなら、同じ夜を何度でも繰り返したいって思ってたんだ。……まさか、会いに来てくれるなんてね」
「んっ……あ……」
優しい刺激に、譫言のような声を返す。
「それに、俺の家がいいなんて、そんな大胆なことを言う子だった?」
「っ……立花さんが、そうさせたんです」
伊鈴が潤んだ瞳で彼を見上げて答えると、満足げに立花は微笑んだ。
「二度と離れられなくなるように、俺を刻ませて。……好きだよ、伊鈴」
紳士的だった彼が、次第に本性を出すように身体を暴いてくる。
それはとても情熱的で、爛れた時間だった。