24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
From 0:00 to 8:00
安心して目をつぶってから、しばらく経ったような気がして、伊鈴はまぶたを開けた。
「起きたの?」
伊鈴の髪を、長い指で梳くようにしていた立花が声をかける。
「……今、何時ですか?」
「1時過ぎ。気分は悪くない?」
「はい、おかげさまで……」
(ここはどこ?)
立花の腕に抱き上げられていたはずが、今はふかふかの感触が背中を受け止めている。
それに、明るさを落とした照明が、随分と高い天井で灯っていた。
(……ホテルだ。ここ、ホテルの部屋だよね!?)
バーラウンジを出てから、おそらく部屋を取ってくれたのだろう。
それに、お互いに着衣はそのままで、間違った展開にはなっていないようだ。
ホッとしつつ、予想できてしまうこの後の時間に、ひどく後悔した。