運命の人と運命的ではない出会い方をしてしまった
『うるさい。』



校門を抜ければ、登校してる生徒から怪奇な視線を向けられる。



足早に家までの道を行く。



『開けろよ、早く。』



「え、や、あの。」



なんで家に帰されたのか分かってないようで、鍵が入っているだろうカバンの外ポケットと俺の顔を交互に見ている。



『ここ?』



「あ・・・」



外ポケットに手を突っ込めばすぐに、鍵が手に触れた。



『開けるから・・・お邪魔します。』



決してこれは不法侵入じゃない。
そう、これはこいつを思っての行動だから。



いつもより青白い顔をしてる。
さっきの黒坂の話を聞いたら余計に放っておけない。



「理央くん?学校・・・」



『それどこじゃねぇだろーが、バカ。
とりあえず寝ろ。』




「人ん家に強引に入ったうえに、寝ろって変態。」



『シバくぞ。
いいからベットどこだよ。』



「ん、そっち。
ね、私が寝るまで近くにいてくれない?」


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