運命の人と運命的ではない出会い方をしてしまった
side.Rio



『理央くんはさ、どうして一人暮らしなの?』



学校が実家から遠いから?
やっぱ、男子だし親から離れたかったから??



「俺は・・・」



少し困った顔をしてた。
いつもは飄々としてるのに。


『ごめん、いいよ。
答えたくないよね、個人的なこと。』



「いや、いい。」



ベットに寄りかかって床に座った。



「俺の家族は仲が悪いんだ。
父親も母親も浮気して、家には帰ってこない。
兄貴は働かないで酒飲んで、バカみたいに騒いで暴れる。
酷い家なんだ、ほんとに。」



ぎゅっと手に力がこもった。


「あそこにいると自分が見えなくなる。
いつか俺も親のように自分の子供のことも気にしないで愛を求めるんじゃないか。
兄貴のように、時間を無駄にして廃人のようになるんじゃないかって。
だから、抜け出した。
自分を見失わないように、目標に突き進めるように。」


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