運命の人と運命的ではない出会い方をしてしまった
バイトして、生活費も学校費も全部自分で払って。



高校生になったら一人暮らしして、もう親戚のお世話にはならないってずっと決めてた。



「お前、頑張りすぎ。」



振り返って、真っ直ぐに私の目を見た。



『でも、』



「でもじゃねぇよ。
俺を頼れよ、理央。」



『ふふ。
ずるいよ、理央くん。』



初めて名前呼ばれた嬉しさを隠すように、布団で顔を隠した。




「ご主人様様からの命令。
俺は理央の親戚じゃないくて、主人だ。」



『まだ、それ続いてたの?』



ひょっこりと布団から目を出して理央くんを見る。



「続くも何も、そういう約束だろ?
とりあえず、今は寝ろ。馬鹿。」



ピンっとデコピンしてから理央くんは、部屋を出ていった。
< 21 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop