運命の人と運命的ではない出会い方をしてしまった
うん、そうだ。
相手は理央くんだ。



もう、諦めよ。




「食欲は?」



『あー、うーん。』



「ないんだな。」



『すみません。』



はぁ、とため息をついて理央くんも、隣に座った。



「近藤理央。」



『?・・・はい』



「お前、俺の事好きだろ。」



『・・・・は!?』



急に何言ってんのこの変人。



「つーか、好きになれよ。」



ふんっとそっぽ向いてる理央くん。
髪の隙間から見える耳はほんのり赤い。



『・・・』



あぁどうしよう。
ずっと気づかないフリをしていたものに気づいちゃった。



いや、違うか、ずっと前から気づいてはいたんだ。



『ねぇ、運命って信じる?』



手にそっと触れる。
暖かい、理央くんの手に。



『同じ名前で漢字も同じで。
住んでるところも、学校も。
全部運命に感じて。
そうやって、理央くんを気にするようになった。』
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