運命の人と運命的ではない出会い方をしてしまった
『あ、えっと・・・』



知り合いっていうのか、なんて言うんだ。
私たちの関係は。



「同じマンションで昨日初めて会っただけ。」



ツンっとした態度でぶっきらぼうに答えたのは前の席に座る彼。



ふーん、と深く頷く杏ちゃんと須田くんを横目に気になっていたことを口に出してみる。



『あの、同名?って・・・』



「あれ?リオくん名乗ってないの??」



もう、男子はみんな自己紹介も出来ないの?と呆れたようにため息をつく。



「こいつも名乗らなかったし。」



『誰がこんなス、んっむ。』



「昨日引っ越してきたばっかでバタバタしてたんだよ、な?」



口を抑えられて言いたかったことは言えず、全く違うことを言い出した、ストーカー。



「なんだ、2人とも仲良さそうね。
でも、ほら。自己紹介は大切よ。」



ほら、リオくんから。
と杏ちゃんが自己紹介するように促す。
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