そばには、いつもキミがいた。
「……ちょっと、人のいないところへ行こっか」
「……う、ん」
華音お姉ちゃんがそう言ったのは、多分私の頬に、涙が伝ったからだろう。
「大丈夫?はい、これ」
人気のない路地裏に着くと、華音お姉ちゃんは、私に自分のハンカチを手渡してくれた。
「あ、ありがとうございます……」
ハンカチで濡れた頬を拭いていく。
「余計なお世話って思うかもしれないけど、私でよかったら話聞くよ?」
「……っ」
「話したら、心もスッキリするかもしれないし」
甘えちゃいけないって思うのに、心とは反対に目から涙は、どんどん溢れ出てくる。
「自分勝手でっ……どうしよ……グスッ……もない話でも……いいっですか?」
嗚咽混じりに、私は言った。
華音お姉ちゃんに、話を聞いてほしいと思ってしまったんだ……。