そばには、いつもキミがいた。

「えっ、両想いだったってことですか?」


私は驚いて、目を丸くしてしまった。


気づいたら、涙も引っこんでいた。


私の質問に彼女は、切なげな表情でうなずいた。


「うん……。彼に彼女ができるもっと前に、告白していれば、私たちは付き合えてた」


「……悲しすぎる」


その話を聞いて、私は目を伏せた。


「その彼とは……、どうなったんですか?」


聞いちゃいけない気がしたけど、どうしても知りたくなって、つい聞いてしまった。


「彼女と結婚してることに悩んでいたから、私が背中を押して、今はその彼女と結婚したよ」


「えぇっ!背中を押したって……、イヤじゃないんですか?」


「え?」


私の言葉に、キョトンとなる華音お姉ちゃん。

< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop