そばには、いつもキミがいた。
story*2 幼なじみからの告白
──それは、小学五年生の冬休みに入る直前の日のこと。
『……好きだ』
誰もいない教室で、私は告白された。
幼い頃から、いつも一緒にいた彼に──。
『俺、彩のことがずっと好きだった。幼なじみとしてじゃなくて、俺と……、付き合ってください』
そう言って、彼は頭を下げた。
だけど、そのときの私は、まだ彼のことを〝ひとりの男の子〟として、意識したことはなかった。
だから、私はその告白を受け入れることができなかった。
『ごめんなさい……。気持ちはすごく嬉しいんだけど、私、翔とは幼なじみのままでいたい……』
はっきりとそう返事をすると、顔をあげた彼は一瞬顔を歪めたけど、すぐに優しく微笑んだ。
『そっか……。そうだよな。変なこと言って、ごめんな』
そう言い、彼は私の頭にポンと自分の手をのせた。
『翔……』
顔をあげると、翔は私の目をしっかりと見据えていた。
『……これからも、幼なじみとしてよろしくな?』
『う、うん』
その言葉に、私は素直にうなずいた。
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