イヤホン越しの恋人。
「♪♪」ご機嫌なのかトモ君は何か歌を口ずさむ。
満腹になったのか、椅子から降りて、玩具(おもちゃ)が入っている大きな透明の箱の中に手を突っ込んでいる。
まだ残っているお弁当を見た里香が
「まーた。残して」
と、テーブルの上に落ちたポテトやコーンなんかをティッシュで回収。
「トモキ?もういいの?」
なんて聞いても、トモ君は玩具に夢中で聞く耳ゼロのようだ。
「ポテトは見事に食べたね」
クスッと笑ってしまった私に
「ほんまそれな」
なんて言いながら、里香はまたお腹空くだろうから、と、トモ君のお弁当は蓋をして冷蔵庫へと仕舞った。
スーパーのレジ袋に空のお弁当箱などを捨てて、里香はさっさとゴミ箱へ。
ウエットティッシュで私がテーブルを拭いていると、里香が戻ってきた。手には朱色(しゅいろ)のスマホケース。
「なーんか私が愚痴ってもてごめんやで」
スマホケースを開いてディスプレイを指先で叩く姿を見て、つられるように私もカバンからスマホを取り出した。
「ううん。全然いいで」
ケースもなにもない、丸裸状態の白いスマホの横ボタンを押してロックを解錠した。
……別に誰からLINEが届く訳でもないんやけど。
「あ、旦那からや」
「あ、LINE?」
「うん。ごゆっくりやってさ」
「ん?」
「かなが来ること伝えてるから」
「あーね。ありがとうございまーす」
待ち受け画面に表示されるアイコンをなんとなくタップしては、戻ってを繰り返した。
満腹になったのか、椅子から降りて、玩具(おもちゃ)が入っている大きな透明の箱の中に手を突っ込んでいる。
まだ残っているお弁当を見た里香が
「まーた。残して」
と、テーブルの上に落ちたポテトやコーンなんかをティッシュで回収。
「トモキ?もういいの?」
なんて聞いても、トモ君は玩具に夢中で聞く耳ゼロのようだ。
「ポテトは見事に食べたね」
クスッと笑ってしまった私に
「ほんまそれな」
なんて言いながら、里香はまたお腹空くだろうから、と、トモ君のお弁当は蓋をして冷蔵庫へと仕舞った。
スーパーのレジ袋に空のお弁当箱などを捨てて、里香はさっさとゴミ箱へ。
ウエットティッシュで私がテーブルを拭いていると、里香が戻ってきた。手には朱色(しゅいろ)のスマホケース。
「なーんか私が愚痴ってもてごめんやで」
スマホケースを開いてディスプレイを指先で叩く姿を見て、つられるように私もカバンからスマホを取り出した。
「ううん。全然いいで」
ケースもなにもない、丸裸状態の白いスマホの横ボタンを押してロックを解錠した。
……別に誰からLINEが届く訳でもないんやけど。
「あ、旦那からや」
「あ、LINE?」
「うん。ごゆっくりやってさ」
「ん?」
「かなが来ること伝えてるから」
「あーね。ありがとうございまーす」
待ち受け画面に表示されるアイコンをなんとなくタップしては、戻ってを繰り返した。