イヤホン越しの恋人。
人付き合いが苦手な私の【唯一(ゆいいつ)】と言っても過言(かごん)ではない程、里香は楽だ。
あまり細かい事を気にもしない里香は、干渉とか詮索とか余っ程(よっぽど)の事じゃないとしない。
ただ、そんな里香だけど私に対してはその【余っ程】になってしまうのかもしれないなんて考えながら、睨みから逃れる為に、マグカップを口に着けた。
…あつっ
ジリジリと紅茶が唇から口の中へと流れていく。
茶葉の香りが口内から鼻腔(びくう)を伝って広がってくようだ。
温かい飲み物なんて何時ぶりだろう…美味しい。
「DVする男が優しいわけないやん。ってか、あっちから離れてくれて良かったやん」
「……うん」
「なに?未練とかあるん?」
「ない!ないない!」
口先からマグカップをはずして、両手で掴むと指先がジンと熱くなった。
向かいに座る里香を見ると困り眉でため息を吐いている。
…だよね。
そうなるよね
………自分でも分からないんだ。
未練なんてないと思ってる。と、いうか、あるはずがない。
欲しかった自由が手に入って、時間にルーズなヒロいつ帰宅するか分からず、ひたすら待たされて…記念日とかも無視されて、料理とかもいつも台無しになっていたあの生活から解放された。
友達付き合いもいい顔されず
家族との関わりも嫌がられ
自分は好き放題お金をつかって夜遊びしてるのに、生活費もろくにくれず、わたしが働こうとすると
「給料はどぶに捨てろ」とか「俺が甲斐性なしに思われるからやめろ!」とか。。
言い出したらキリがない。泡みたいに吹き出して止まらないのに、わたしはなにをこんなに【辛い】と思うのだろう。
あまり細かい事を気にもしない里香は、干渉とか詮索とか余っ程(よっぽど)の事じゃないとしない。
ただ、そんな里香だけど私に対してはその【余っ程】になってしまうのかもしれないなんて考えながら、睨みから逃れる為に、マグカップを口に着けた。
…あつっ
ジリジリと紅茶が唇から口の中へと流れていく。
茶葉の香りが口内から鼻腔(びくう)を伝って広がってくようだ。
温かい飲み物なんて何時ぶりだろう…美味しい。
「DVする男が優しいわけないやん。ってか、あっちから離れてくれて良かったやん」
「……うん」
「なに?未練とかあるん?」
「ない!ないない!」
口先からマグカップをはずして、両手で掴むと指先がジンと熱くなった。
向かいに座る里香を見ると困り眉でため息を吐いている。
…だよね。
そうなるよね
………自分でも分からないんだ。
未練なんてないと思ってる。と、いうか、あるはずがない。
欲しかった自由が手に入って、時間にルーズなヒロいつ帰宅するか分からず、ひたすら待たされて…記念日とかも無視されて、料理とかもいつも台無しになっていたあの生活から解放された。
友達付き合いもいい顔されず
家族との関わりも嫌がられ
自分は好き放題お金をつかって夜遊びしてるのに、生活費もろくにくれず、わたしが働こうとすると
「給料はどぶに捨てろ」とか「俺が甲斐性なしに思われるからやめろ!」とか。。
言い出したらキリがない。泡みたいに吹き出して止まらないのに、わたしはなにをこんなに【辛い】と思うのだろう。