人形の君に心をあげる。




意を決して顔をあげる。



『もう、やめ―――』


...だけど、その声はみんなには届かなかった。



みんなの目には俺なんか映っていなかったんだ。



みんな、俺なんかいないも同然に、俺をよそに言いあっている。




...なんでだよ


俺の話してるんだろ、だったら俺を見ろよ


俺の話を聞けよ




でも、そんな訴えは微塵も届きそうにない。



ああ、こいつら結局自分の事ばっかなんだ...




自分が言い負かされないことが一番大事で、そのためだったら平気で人を傷つける”クズ”



”かわいそう”って言って俺をかばうふりして、良い人な自分を守る”偽善者”。




みんな、こんなやつだったのかよ...



”裏切者”


今までは良い顔してきてさ...

友達だと思ってたのに...


その結果が、これか...




頭の中にさっきまでの言葉たちが断片的に流れてくる。


”わざと”

”かわいそう”

”どうせみんな知ってる”

”ふつうじゃない”



”クズ”

”偽善者”



”裏切者”




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