人形の君に心をあげる。
コンコン
俺が窓の外を眺めていると、扉をノックする音が後ろで聞こえた。
その音に慌てて振り返る。
返事した方がいいのか...?
少し疑問が浮かんできたけれど、扉は返事を待たずに開き始めた。
開いた扉の先にいたのは、黒いスーツのような服を着た男だった。
その人は俺を見て少し驚いたような顔をしたように見えた。
...?
「目が覚めたんだな」
男はすぐにその表情を戻し、不愛想にそう言った。
「...はい」
俺も、お礼を言うでもなく、ただそう短く答えた。
「...」
男は俺の返事に反応することはなく、食事を載せたカートをベッド脇に移動させる。
そしてそのまま俺に背を向ける形でベッドに腰掛けた。