人形の君に心をあげる。
こんな時、スマホがあればよかったのに...
なんて、ふと現代っ子らしい考えが頭をよぎる。
スマホがあったら、ここがどこかも衛星ですぐわかるのにな...
けれど、今、手元にスマホはない。
目が覚めた時にいたあの部屋を探してはみたものの、昨日のあの集団にとられたのか、どこにも見当たらないんだ。
「...」
ため息が自然と漏れる。
ベンチの背に肘をかけ、空を仰ぎ見る。
今日は雲が多い。
...良い天気だ
雲が太陽を覆って、光を遮ってくれる。
少しの間、頭を真っ白にしたい
そう思った。