人形の君に心をあげる。
...案内......
ここを、出る...
近づいてはいけない、屋敷。
全てを理解するのに時間がかかった。
「いやいやいや、ちょっと待て」
重ねられた庭師の手から自分の手を抜く。
そして、その両手を庭師に向かってひらき、突き出す。
庭師はそのジェスチャーに、話すのをやめた。
「そんなことして、じいさんは大丈夫なのか?」
「...」
俺のその言葉に庭師はどんどん顔を青くしていく。
「いずれそれが知れたら、じいさんはここに居られなくならないのか?」
「それは...分かりません」
消え入りそうな声でそう答える。
その返事がすべてを物語っていた。