人形の君に心をあげる。
やっぱりな。
一大決心みたいな顔してると思いきや...
自分の立場を危うくしてまで何言ってんだ、じいさん。
「出るかどうかって言ったって、俺はまだここを何も知らないんだ。」
このじいさんはいいやつそうだけど...
だったらなおさら、危険にさらしてまで巻き込むことじゃないと思う。
「あのさ、さっきの続きだけど...」
少し話はそれたけど、元の流れに話を戻す。
「ここはどこなんだ?そして、”バトラー”って一体何なんだ?」
ここを出るかどうかは、それを聞いた後にだって決められる。
答えによってはじいさんの手を煩わせなくたって、一人でなんとかできるかもしれないし。
「...そうでしたね。質問の答えがまだでしたね」
庭師は俺の問いかけに、落ち着きを取り戻そうとするように、もう一度花に手を伸ばし、俺から離れる。