人形の君に心をあげる。
どうしてこうも嫌な話の時に限って人が集まってくるんだろう...
俺のまわりに小さな人だかりができる。
そして、早く話してと急かすように俺に注目する。
みんなの視線が俺に集まれば集まるほどに俺は何を言えばいいか分からなくなる。
パニック状態みたいなそんな感じ。
『...』
嫌な時間だけがいたずらに流れていく。
そんな時だった。
『もうこの話やめない?』
誰かがそう言った。
助かった、そう思った。
だけど、
『えー、なんで!?愛也くんの話聞きたいよ』
まわりに集まった子たちが口々に言い始める。
どうやら”やめよう”その一声だけではこの話を終わりにはさせてくれないらしい。
『ねえ、教えて』
『ねえ、どういう理由なの?』
『ねえ―――』
『ねえ―――』
みんなの注目が再び俺に集まる。