人形の君に心をあげる。
...やめてくれ
...やめてくれ
どんなに願っても、一度動きだした思考回路をもう止められない。
”わざと言った”
頭が勝手に考え抜いて出した答えを俺に突きつける。
...わざと...言った?
頭の中がその結論で満たされていく。
みんな、わざと言ったの...?
『愛也くんがかわいそうでしょ!?』
次に飛び込んできたのはそんな声だった。
”かわいそう”
...そんなことを言うなら、施設の子なんて言わないでくれよ
お前が言わなきゃ...
言わなきゃこんなことには...
...ならなかった......のか...?
”ほんとに?”
自分自身が俺に問いかける。
...みんな、ほんとは知っていたんだぞ
『私が”施設の子”って言ったのはみんなを止めるためで...。みんな知ってることだし...』
女の子が男の子に言い返しながら言う。
”みんな知ってた”
...みんな...知ってたのに......わざと...