略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 腰を強く引き寄せられ、首根っこを抱えられる。

 逃げる隙なんて与えられずに、口唇にひたすら熱情をくべられる。

 腫れぼったく感じるそこで、匠海の柔らかくて熱い想いに自分を必死に重ねた。


「キス、うまくなった」


 口唇を触れさせたまま、匠海が吐息のように囁いた。


「そんなのわかりません……」

「まだ何度かしかしてないのに。他のやつとしてないよな」

「してません……! 私、匠海さんとしか……っ、ん……っ!」


 話している途中で口唇を合わせられ、すかさず舌を絡め取られる。

 匠海の熱が咥内に注ぎ込まれて息が苦しい。

 心臓がばくばくと鼓動を早める。


「……は……あっ」


 口唇の角度を変えられ、喉の奥から思わず声が漏れた。


「エロい声」

「意地悪ですね……」

「誉め言葉だよ」


 ちゅっちゅっとついばむキスをしてから、匠海は目を細めて笑った。

 もう一度ふわりと抱きしめられて、匠海の胸のあたたかさにきゅっと擦り寄る。

 匠海の匂いに包まれて、今だけはもう余計なことは考えていたくないと思った。




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