略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 美郷を抱きしめる腕は強さを増し、そのまま匠海の中に取り込まれてしまいそうだと錯覚する。

 あおった顔をあたたかな掌に振り向かされ、滲んだ視界で匠海を捉える。

 熱情の炎を宿した琥珀の瞳に囚われ、胸はときめきではちきれそうになった。

 食べられてしまいそうに首筋を貪った口唇は、温度を上げた息を吐く美郷の口を大きく食むる。

 ふたつの熱くて甘い吐息が、ふたりきりの広い部屋の温度を上げる。

 同時に、美郷の心の熱も急騰していく。


 こんなに胸が苦しいのはどうしてなの……?

 私、好きなの? 匠海さんのこと。


「匠海さ……」


 答えが欲しくて問うてみても、匠海は美郷への想いを強くぶつけてくるだけだ。

 それに、自分の気持ちは自分で探さなければ意味がない。

 誰かに言われて決めるものではないからと、キスの嵐に揺られながら手探りで答えを探した。



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